はじめて口にした弁当が予想外においしくて。最初のうちはもっと食べてみたいというただの好奇心からだった。
「明日はサンドイッチにしろ」
「だから偉そうに命令すんな!!」
弁当のおかずにリクエストした大根の煮物をつまみながら言うと、四月一日は不機嫌さを丸出しにしながら俺に食ってかかる。こうやって散々文句を言いながらも、翌日になると必ずそのリクエスト通りの弁当を作ってくる。
「カツサンド、忘れんなよ」
「はぁ!? カツサンドとかお前贅沢なんだよ!!」
とかなんとか言いながら、作ってくるくせに。
そう思うと意図せず口元が歪む。
いつからだろうか。
こうして明日の弁当の内容をリクエストする意味が変わってきたのは。
また、あした。
明日もこうして昼を共にするために。
―了―
こんな短いまさにSSを書いたのは久しぶりです。
この百目鬼はまだ四月一日LOVE!!という感じじゃなくて、なんとなく四月一日を意識し始めたぐらいなんでしょうね。