スターオーシャン

Sweethert 愛しい人

僕らは愛し合っていたのに…

どうして離れてしまったのだろう……………

一緒にいた時間より
会えないでいる時間の方が長くなるなんて、思ってもいなかった……

 

 

 

 

 

重い瞼を開くと、懐かしい愛しい顔がそこにあった..........

 

 

「ディア……ス…」
「目が覚めたか…」

 

ここはバニスシティのとある家。
クロードとレナが乗っていた宇宙船はヌサビーチに墜落し、不幸にもクロードは感染症にかかり床に就いていたのだった。
あと数刻でも薬の到着が遅れていれば、今クロードはここにいないだろう……。

 

 

 

「ディアス……みんなは…?」

クロードはゆっくりと上半身を起こしながらディアスに問う。

「俺の以外の奴はみんなプリシスの宇宙船にいる。
この家の主はアバに用事があるとかで俺に留守番を任せて出ていったばかりだ」

「そっか…」

クロードはアバという地名は聞いたことがなかったけれど、未だ薬が効いていて頭がもうろうとしていたので
その事については聞かないことにした。
ぽけーーっと辺りを見回す。まだ、何が何だかよく理解できないでいた。
唯一理解できるのは、今自分の側にディアスがいるということのみ…。

「クロード」
「なに?」

クロードはディアスに抱きすくめられていた。
クロードは嫌がる事もせず、ゆっくりとディアスの背に手を回す。ディアスはクロードを力強く抱きしめた。

「ディアっ…ス、……苦しい…」
「俺がどれだけ心配したと思ってるんだ、この莫迦が……」
「……ごめん…」
「もし俺達がミンシディアをを持っていなかったら…どうなっていたか分かるのか?」
「……ごめん…」

ディアスはクロードを抱きしめる腕に更に力を込める。

「本当に……ごめん、ディアス…」
「…………詫びるなら……口ではなく躰で詫びて貰おうか…」
「!」

ディアスは低く脅すような口調で囁いた。それを聞いたクロードはきょとんとしたあとクスリと笑う。
ディアスは不思議に思って首を傾げた。

「クスクス……なんだ、僕も同じ事考えてたんだよ…ディアス……フフッ…」
「……そうか」

ディアスもつられて少しだけ笑う。そしてそのままゆっくりとクロードの躰を押し倒した。
額、瞼、頬とディアスはゆっくり優しく唇をおとしていく。そして最後に唇を塞いだ。
しばらく柔らかな唇の感触を楽しんだあと、ディアスはクロードの上唇を囓り、下唇を
囓り、そして歯列をゆっくり舌で割ってクロードのそれを絡め取る。
クロードは待っていたと言わんばかりに舌を積極的に動かしてディアスに応えた。

 

激しく舌を絡ませ合い、熱い口づけをかわす。時折口と口との隙間から、クロードの少し甘い息づかいと
唾液が漏れ出た。ディアスはその唾液を逃そうとせず、舌で舐め取り再びクロードに口付ける。

やっと唇が離れると、息つく暇もないほど激しい口づけだった所為かクロードの息はすっかり上がり
ハァハァと肩で呼吸を繰り返していた。ディアスはそんなクロードの様子を見てフッと笑み、自分が身につけていたマントをはずした。

「ねぇ、ディアス…」
「ん?」
「ディアスさ…しばらく合わないうちに……服の趣味変わった??」
「は?」

こんな時に突然服の趣味についてなんて聞かれてディアスは呆気に取られる。
そんなディアスをおかまいナシにクロードは続けた。

「だって、さ、マントの留め金……ピンクだし…なんかスカートみたいなのはいてるし……」

クロードは吹き出しそうになるのを堪えながら語った。
もう半分は吹き出してしまっているクロードを見て、ディアスが怒ったような表情になる。

「…………そう言うお前こそ、ずいぶんとガードが難くなったんじゃないか?」

低く囁きながら、ディアスはクロードが上に羽織っていた半袖のジャケットを脱がした。
以前のクロードはジャケットを剥がすと、白い肩がよく見える黒いタンクトップだった。ところが今は、七部丈ほどの服を着ている。
それを聞いたクロードは頬を薄紅色に染めて呟いた。

「だって……ディアス以外の人に見せたくなかったんだモン……」

ディアスはその言葉を聞いて、少し嬉しそうに口元をゆがませ、服のファスナーの金具をくわえた。
そのままゆっくりファスナーを下ろしていくと、クロードの白い肌がだんだんと露わになってゆく。
ファスナーを下ろしきったディアスはクロードの耳元で囁いた。

 

「まあ……脱がしガイのある服ではあるな」

それを聞いてクロードはかあぁっと耳まで真っ赤になる。
フッと微笑んだディアスが、服の下に隠れていたクロードの胸に咲く花をそっとまさぐると、
クロードは甘い吐息をもらしながら背中を仰け反らせた。
ディアスは片手で花を弄びながら、クロードの白い肌に唇をおとしていく。
首筋のラインに沿って舌を這わせ、鎖骨を軽く囓り、きつく吸い上げて赤い花びらを散らす。
そして放ったらかしにしておいたクロードのもう片方の花を舐めあげた。

ディアスはクロードの胸の飾りを舌の先で弄くりまわし、そっと歯をたてる。
噛めば噛むほどクロードの飾りは弾力を増していき、赤く色づいていく。
そこを爪で弾けばクロードは小さく呻いて体を強張らせる。
濡れた唇から漏れる声は皆艶っぽく熱を帯びていた。

 

「クロード…」
耳元で低く囁きながら、ディアスはクロードのズボンと下着を剥ぎ取った。

 

 

 

 

「ディア……ス?」
クロードを完全な裸体にし終わったディアスは、何故かクロードをジッと見つめ続けていて何もせず、クロードは戸惑いの声をあげた。
もう既に硬直しているクロード自身は、しきりにディアスを求めている。
それはディアスが一番良く知っていることだったがディアスはクロードの様子をうかがうようにいつもの
感情の表れていない顔でクロードを見つめていた。
「ディ……アスっ………早く…来てッ…」
堪らなくなったクロードがディアスに懇願するがそれでもディアスはクロードを見つめ、微動だにしない。
やがてクロードはおずおずと両足を開き、艶めかしい仕草でディアスを誘い始めた。
そんなクロードをディアスは嬉しそうな表情をして見つめている。
クロードは恥ずかしさに耐えて誘っても、一向に望むようにしてくれないディアスに苛立ちを覚えて自分を慰めようと手をのばした。

 

「んっ……」
下腹部へとのびてきた手をディアスが払い、クロードに口づける。口づけながらディアスはクロードのものにそっと触れた。
急に与えられた快感にクロードは躰を震わせる。
そのままディアスはクロードを握り込んで刺激を与えていく。
「んっ…んんーーーーーっ!!!!!!!」
キスに翻弄されていたクロードは自身をディアスに嬲られてあっという間に達してしまった。
口づけからも解放されたクロードは荒い息をしながらディアスの首にしっとりとしがみつく。
「ディアス……早くっ…欲しい…」
熱い息とともにクロードはディアスの耳元で小さく囁いた。ディアスはにっと笑んでクロードの秘部へと指を運んだ。

 

 

「あっ……あっ……」
「……っ…」
クロードの喘ぎが規則的なものに変わり、二人でリズムを刻みながら快感を得ていく。
理性はとうの昔に遙か彼方へと消え去っていた。
今はただ、互いが同じ時を過ごし、同じ快楽を得ている事が何よりも嬉しかった。

 

 

 

「ああぁぁぁぁっっ!!!」
「くっ……」
一際高いクロードの嬌声があがり、同時に果てる。

クロードは軽い眩暈と快楽の余韻に浸りながら自分を抱きしめてくれているディアスに軽くキスをした。

「ねぇ、ディアス」
「ん?」
「………どうして……意地悪したの?」
「え?」

クロードの声は震えていて、今にも泣き出しそうだった。
「…やっぱり…僕のこと嫌いになった?……ずっと会えなかったから…僕の他に大切な人が出来たんだろ?………そう、なんだろ?」

 

折角久しぶりに会えたのに。二年ぶりなのに。
どうして今までしたこともないような意地悪するの…?
僕のこと…好きじゃなくなったけど、僕が欲しがるから無理してたの??

クロードの思いは声にはならなかった。だが、ディアスにはきちんと伝わっていたらしい。
「違う、クロード。そんな意味じゃない。…それに…誘ったのは俺の方だ」
「………あれ?そうだったけ?」

クロードは泣くのをやめてきょとんとする。ディアスは苦笑いをしてクロードをきつく抱きしめた。

「すまん…その……俺も…不安だった。お前の心がまだ、本当に俺の所にあるのか…。急に不安になった」
「…ディアス…」
「………すまん…」

自分を抱きしめながら弱々しく項垂れるディアスにクロードはキスで応えた。

「…謝らなくていいよ。…そういう…ことだったんだね…。ディアスも、僕と同じだったんだ」
「クロード……愛してるぞ…」
「…僕も。今も、昔も、これからも…ずっとずっと、ディアスのこと愛してる」

 

 

ディアスとクロードは互いに抱きしめ合って眠った。
二人とも幸せそうに微笑みながら……

 

 

誰よりも愛しい人だから不安になる

誰よりも愛しい人だから自分の所にとどめておきたい

時の流れは人の心を惑わせる

でも。誰よりも愛しい人だから……………

 

END


 

久しぶりに読んだら「おいおい病み上がりですぞーーー!!」と突っ込まずにいられませんでした…。(2018年11月コメント)

投稿日:2010-01-01 更新日:

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