スターオーシャン

をとめの秘密

 

「クロード。俺と勝負しろ」
「へっ??」

突然真剣な表情でディアスが紡いだ言葉にクロードが唖然とする。

「勝負?今?ここで??」
「そうだ。嫌とは言わせない」

今、クロードは食事当番で夕飯を作っている真っ最中なのである。そんなときに突然現れた
ディアスに勝負をふっかけられては……。クロードでなくても混乱するだろう。
いや、正確に表現すれば、作っている真っ最中ではなくて、作ろうとしたその時だったのだが…

言い出したら聞かない恋人の性格を知ってのことか、クロードは溜息をついてディアスと向き合
った。

「で?…一体何なの?勝負ってさ…」

「……俺と料理対決をしろ…」

 

え?料理対決!?

ディアスの口から紡がれた思いも寄らない一言にクロードは更に混乱した。てっきりクロードは
剣の勝負でもするのかと思っていたからである。
しかも。よりによって……料理。一体何故!?

「な…なんでそんな急に……。しかも料理って…」
「嫌とは言わせないと言ったはずだ。もし、お前が勝ったら俺はお前のために腕によりをかけて
ステーキを焼こう。だが、お前が負ければ…」

「ま、負ければ……?」

「俺の言うことを何でも聞いて貰おうか」

 

…それってなんか不公平じゃないかーーー!?

と、叫ぼうとしたクロードだったが、自分も料理の腕になかなかの自信を持っていたため快くディ
アスの勝負を引き受けたのだった。
負ける気なんて、全くしない。
だって、以前食事当番で作ったディアスの食事は人間の食べ物とは思えないほど酷かったから
だ。それ以来ディアスは一度も食事を作っていない。
あんな食事で旅をしていてよく死ななかったものだ。と思うほど、ディアスの料理は酷かったので
ある。
彼の強さは…もしかして何でも食べれるという所にあるのだろうか……(汗)

 

 

「でさ。ディアス。料理対決って一言で言っても…一体どうする気なんだ?材料だって人数分しか
無いよ?」
「愚問だな。このために俺がわざわざ食材を調達してきた。これを使え」

と、ディアスから差し出された大きめの箱を覗けばそこには…
なんと、高級食材の山々!!
ジューシィビーフにマジカルライス。がんぜに高級マグロ。ご丁寧にプルプルスライムまでありとあ
らゆる高級食材がその中には詰まっていたのだった。
い…一体これを何処で調達したんだ……

「す…凄いね……。一体どうしたの、これ」
「深いことは聞くな」

ズバッと返されてクロードはあはは、と苦笑いをする。

(レナ辺りに頼んだのかな…?さすがだなぁ。家庭料理愛戦士…)

「いいか、クロード。夕食の時間がタイムリミットだ」
「うん」
「一応言っておくが、調理場は共同で使うんだからな」
「うん。一つしかないしね」

ディアスはキッチンにあった置き時計を一瞥して、では、初めだな。と、呟いた。

 

 

 

さてっと。この食材をどう料理しようかな~?
こー高級食材が並んでるとどうすればいいのかわかんなくなっちゃうな~~。
ディアスが相手だからって手をぬく気は無いけど……。うーーーーん。。。

 

 

ふっ…クロードがどんな料理を作ろうが…
俺の勝ちは決まっている……

 

 

 

それぞれの思いを胸に、二人は調理に没頭した。

 

 

 

 

―――――――――――――― で。

 

 

 

 

「わぁ~いっ♪ご飯の時間だぁっ!今日の夕飯はなっにっかなぁ~~♪…って…」

夕食時になり、元気良く食堂にやってきたプリシスはその場に立ちこめる険悪なムードにピタリと固
まった。
明らかに12人の夕食分としては多すぎる料理の量。
何故か火花を散らすディアスとクロード。
そして、『審査員』と書かれたたすきを掛けたレナとセリーヌとオペラ……
楽しい食事とはかけ離れたただならぬムードに、思わずプリシスはその場から逃げ出した。

触らぬ神に祟り無しって言うしねっ♪

 

クロードは自分が作った料理の出来に満足していた。
高級食材をふんだんにつかったビーフシチュー。
限られた時間でここまで柔らかく、味のしみこんだビーフシチューは作れないだろう、などと考え、思
わず顔がほころぶ。やっぱり圧力釜って凄いねっ!!(をい)

が。ディアスの料理も負けてはいなかった。
以前の下手さは何処へやら。
まるでフランス料理のフルコースであるかのようなすばらしさ。心なしか料理達が光り輝いて見える…(笑)

 

「それでは審査を始めます」

まるで料理番組の司会のように、高らかにチサトが声をあげる。

…どうでも良いが……何故女性ばかりなんだ??

 

そして結果は…―――――――――――――――

 

 

 

 

「うわぁぁぁんっ!!一体何なんだよこの格好!!」

なんだよこの格好!!と、叫んでいるクロードの服装は……

髪の毛には可愛らしいリボンを付け、フリフリの短いスカートに、……あぁっ!!だめだ!!鼻血
大量噴出で説明できない!!!(爆)
いわゆる
女装。

どうやら勝者はディアスだったようだ。

 

先程からディアスはおぼつかない手つきでクロードをカメラのフィルタに納めている。

「ディアスって……こういう趣味だったの??」

半べそをかきながらクロードはディアスを見つめる。

「いや。こんな趣味なんて全くない」
「じゃあ何でッ!!!!」

ディアスは少し考えるような素振りを見せて「ただの気まぐれだ」と、応えた。
本当のことを言えば…たぶん殺される……。

しばらくしてディアスは、カメラを机の上に置いてクロードに近寄ってきた。一応断って置くが、ここは
彼らが本日休む部屋である。

「しかし……似合うな、クロード」
「…そんなこと言われても嬉しくない……」
「さて…。今度は俺の番だな」
「…え?」

やっとこの恥ずかしい格好から解放されると思っていたクロードはディアスの台詞に疑問符を浮かべた。

「俺の番って……」

ディアスは椅子に座っていたクロードをふわっと抱きかかえると、そのままベッドへと向かった。

も、もしや……

「や、やだっ!!ディアス離してっ!」
「何でも言うことを聞く約束だろう?」
「うっ…」

ディアスはクロードをベッドの縁に座らせると、すぐさまその唇を塞いだ。
片方の腕はクロードの腰を抱き寄せ、もう片方の手はそっとクロードの足を撫で上げながらそのままス
カートのなかへ……。(汗)

「ディアスやだぁーーーーーーー!!」

どんなに泣き叫んでも、そんな可愛い格好では……逆効果なのは言うまでもない。

――――― 翌日。

「あらディアス。昨日は良い思いできまして?」
「………まぁな。レナ達には…多少なれど感謝している」
「よかったぁ。ディアスvで、約束の……」
「ああ。ちゃんと撮ったぞ」

そう言って、ディアスは昨晩のクロードの女装写真が入ったフィルムをレナに手渡す。
ま、まさか……?

「よかったですわ。また宜しくお願いしますわね、ディアス」
「…いや。もうごめんだな。クロードの機嫌が最悪に悪い」

 

事の発端は…どうやらこの女性達で決定………だね。

 

 

「ふふふ……これで冬コミのネタは心配ないですね」
「そうですわね。さっそくチサトに現像して貰いましょうvv」

…もう冬コミのネタ集めですか……。
精力的ですね、お嬢様方……。

 

 

訳分かんないまま終わる。

投稿日:2010-01-01 更新日:

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